介護記録ソフトを比較!おすすめの5製品やメリット・機能を解説

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介護事業をするうえで介護記録の作成・保管は義務づけられており、正確な記録・保管のためには、介護記録ソフトの導入がおすすめです。

本記事では介護記録ソフトの機能や導入のメリット、選び方、おすすめの介護記録ソフトを5製品紹介します。

介護記録ソフトは、介護記録の作成・保存以外にもあらゆる機能を備えており、業務効率化やコスト削減に効果的です。高齢化が進む現代において、特に介護業界では、時代の流れに合わせた変化が求められています。事業所のシステム化を進めるなら、本記事を参考にしてください。

介護記録ソフトの機能や導入のメリット

介護記録ソフトは、介護施設で義務づけられている介護記録を、スマートフォンやタブレット端末などで記録・管理するシステムツールです。まずは、介護記録ソフトの役立つ機能や、導入によるメリットを紹介します。

介護記録ソフトの機能

介護記録ソフトの機能は、介護記録を端末上で作成できるだけではありません。主な機能には、以下のものが挙げられます。

  • 利用者の情報の登録・管理
  • 利用者ごとに当日行う業務を管理
  • 介護記録をデータとして保存
  • 責任者はリアルタイムで担当者の動向を把握

システム上に利用者の情報を登録することで、スタッフ間で共有しやすくなる点が魅力です。過去の情報が必要な際も、紙を1枚1枚見ることなく検索のみで瞬時に調べられます。

また、責任者は職員1人ひとりの当日のタスクをデータで管理でき、業務漏れの防止にも効果的です。またリアルタイムで職員の業務の進捗がわかるため、問題があった際には早急に対応でき、スタッフの不正防止にも役立ちます。

加えて、介護記録は最低2年間保管することが定められていますが、介護記録ソフトではデータ上に2年以上の保管が可能です。クラウドへの保管であれば、職員間で共有しやすいだけでなく、災害や事故があった際にも記録の紛失リスクを低減できます。

介護記録の保存期間や書く内容など、法律面にかかわることについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

介護記録ソフト導入のメリット

介護ソフトを導入するメリットは多々ありますが、大きなメリットは以下の4点です。

  • 業務を効率化できる
  • 離職率の低下が期待できる
  • コスト削減に役立つ
  • 加算が取得しやすくなる

第一に挙げられるのは、業務の効率化です。就業後にまとめて紙に記録をまとめるのではなく、業務中に都度スマートフォンで簡単に記録を入力でき、責任者による確認も自動チェック機能により時間短縮につながります。

実際に、介護記録ソフトを導入した事業者からは「業務効率化により残業時間の約60%を削減できた」といった声も上がりました。また、副次的な効果として、残業時間の短縮による職員のモチベーションの向上や、離職率の低下も期待できます。

業務効率化による人員コストの削減に加えて、記録の保管を紙ベースからデータに移行することで、資源コストの削減にも効果的です。実際に介護記録ソフトの導入により、年間158万円の資源コスト削減を実現した事例もあります。

さらには、厚生労働省の定める科学的介護システム(LIFE)関連の加算を取得しやすくなるメリットもあります。LIFEとは、全国の介護事業所のデータを国のデータベースに集め、科学的な分析や解析により、今後いっそう進むであろう高齢化社会に備えるシステムのことです。

国はLIFEによるデータ収集を推し進めており、LIFE関連の加算は近年増加しています。LIFE関連の加算申請は、アナログでの登録だと労力がかかりすぎるため現実的ではなく、取得をめざすならシステムの導入がおすすめです。

LIFEについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

介護記録ソフトのおすすめ5選

おすすめの介護記録ソフトを5製品紹介します。それぞれの特徴も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

  • 豊富な機能が魅力の「ほのぼのNEXT」
  • クラウド型の老舗「ワイズマン」
  • 業務効率化につなげるなら「Care-wing」
  • 経営支援に強い「カイポケ」
  • 地域包括ケアに重きをおく「カナミック」

豊富な機能が魅力の「ほのぼのNEXT」

ほのぼのNEXTは、介護福祉関連ソフトウェアを数多く販売する老舗メーカーの介護記録ソフトです。

  • 機能面が充実している
  • サポートセンターの評判が良い
  • 導入時には5年間の使用権を購入

評価が高く、長く介護福祉支援に携わっていることから、口コミを見ても「ずっと『ほのぼのNEXT』を使っている」という声も多く見られます。

サポートセンターには、介護事務管理士の資格をもったスタッフが多く在籍しており、専門的な問い合わせにも対応できます。

クラウド型の老舗「ワイズマン」

ほのぼのNEXTと同様に老舗メーカーの「ワイズマン」は、クラウド型介護記録ソフトのパイオニアです。

  • 医療向け製品にも強く、医療系の事業所に人気
  • 操作画面の使いやすさに定評がある
  • 専用のクラウドでデータが厳重に保管され、バージョンアップやバックアップは自動で行われる

ワイズマンは電子カルテシステムも販売しており、医療業界でも高い評価を得ています。また「操作画面が直感的に使えてわかりやすい」といった口コミも見られました。

データは専用のデータセンター施設に厳重保管され、災害や事故で施設内のPCが破損した際にも、データ喪失リスクが低減されます。

業務効率化につなげるなら「Care-wing」

「Care-wing」ならスマートフォンとの連携により、大幅な業務効率化が期待できます。業務効率化が進めば、人員コストの削減や、残業時間の短縮により離職率の低下も見込めます。

  • 利用者宅にICタグを設置し、スマートフォンをかざすだけで入退室管理ができる
  • スマートフォンでワンタッチでの記録作成や、音声入力も可能
  • シフト管理や加算における指示出しなど、役立つ機能も充実

スマートフォンの活用による業務効率化に強く、記録のワンタッチ作成や音声入力により、操作に不慣れな方でも安心して使えます。

また操作については、リモートサポートやインストラクターによる操作研修などに申し込め、サポート体制も充実しています。

また、無料のデモンストレーションがあり、支払いは月額払いなため、気軽にはじめやすい点も魅力です。

経営支援に強い「カイポケ」

介護記録だけでなく、経営全体の支援を強みとするのが「カイポケ」です。

  • 無料体験期間がある
  • 介護保険請求から給与計算、開業支援までサポート
  • 採用サイトに無料で求人広告が出せる

経営力強化に強みをもつカイポケは、中小事業所から大手事業所まで、多くの経営者から高い評価を得ています。

無料体験が長めに設定されていることや、記録以外にも幅広い機能を備えているのが特徴です。

地域包括ケアに重きをおく「カナミック」

介護向けシステムだけでなく、医療向けや子育て支援まで、地域包括ケアに注力しているのが「カナミック」です。

  • 利用者の管理・記録・請求まで総合的にカバー
  • 売上分析や統計分析など、経営状況の見える化に役立つ機能も
  • 利用者向けの請求書の郵送代行まで請け負っている

カナミックを提供する株式会社カナミックネットワークは、今後ますます深刻となる超高齢化社会の到来に備え、医療機関や介護・看護・自治体・法人の垣根を越えたネットワークづくりをめざしてきました。

カナミックのソフトは介護分野のみならず、あらゆる機関との情報共有が強みです。コンセプトや仕組みで他社との差別化に成功し、ソフトの使いやすさも相まって、高い評価を受けています。

介護記録ソフトを選ぶ際のポイント

介護記録ソフトは数多く販売されており、目的や条件に合ったものを選ぶ必要があります。本項では以下に挙げる、介護記録ソフトを選ぶ際の主な4つのポイントを見ていきましょう。

  • 機能面をチェック
  • サポート体制をチェック
  • 機能や事業規模などによって価格に幅がある
  • 「クラウド型」か「インストール型」を確認

機能面をチェック

介護記録ソフトは、記録の作成・保管以外にも、さまざまな機能を備えています。シフト管理機能や支払業務までカバーできるものなど、人気ソフトは看護記録以外の機能も充実していることがほとんどです。

しかし、あまりに機能が多くても、操作が複雑になる点を心配する方もいます。

ソフト選びで後悔しないためには、どのような機能が必要か事前に検討し、各ソフトを入念に比較検討することが重要です。ソフトによっては、機能の拡張に追加料金がかかる場合もあるので、オプションの内容も確認する必要があります。

サポート体制をチェック

操作説明やコールセンターの有無など、サポート体制もチェックしましょう。基本的に、料金の高いソフトほど、サポート体制がより整っている傾向にあります。

ソフトの導入時には、操作方法がわからなかったり、トラブル発生時に現場が困惑することもあるでしょう。会社によっては電話窓口だけでなく、事業所訪問や操作研修まで実施しているところもあります。

機能や事業規模などによって価格に幅がある

介護記録ソフトの価格は、機能や事業規模・運用台数・契約期間・支払い方法など、いくつかの条件を勘案して決まります。

また、月額払いや3年・5年のライセンス契約での一括払いなど、支払い方法もソフトによってさまざまです。月額の場合は途中で解約しやすいですが、ライセンス契約の場合は期間中の解約ができない場合もあるので、注意が必要です。

気になるソフトを見つけたら、まずは問い合わせてみて、ほかのソフトと比較・検討しましょう。

「クラウド型」か「インストール型」を確認

介護記録ソフトには、クラウド型とインストール型があります。

<クラウド型>

  • インターネット環境が必要
  • 離れた拠点とも情報を共有できる
  • データは外部のクラウドに保管

<インストール型>

  • インターネットなしでも使える
  • 拠点が離れていると、基本的に情報の共有が難しい
  • データは自社のサーバーに保存
  • 導入台数によってはクラウド型により安い傾向にある

それぞれにメリットはありますが、近年人気のソフトにはクラウド型のものが増えています。

クラウド型はリアルタイムで情報を共有しやすく、災害や事故で自社のPCが故障したときにも、データ喪失のリスクが少ないのがメリットです。

まとめ

時代の流れに合わせて、ペーパーレスや業務効率化による働き方改革をめざすなら、介護記録システムの導入は必須です。コスト削減や加算を取得しやすいことを踏まえても、費用対効果は大いに期待できます。

また、介護記録システムを導入するなら、スマートフォンと連携できる製品が便利です。日頃から記録の作成をスマートフォンで入力するように指導し、クラウド上で介護記録ソフトに送信すれば、それだけでも業務効率化が見込まれます。職員や利用者のためにも、介護記録の導入により業務効率化を進めましょう。

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